塚本晴樹の「CSほっとする話、むっとする話」

このコラムでは塚本晴樹が日々のCS(顧客満足)活動において、ほっとする話や、むっとする話などを掲載します。随時更新予定!

本音が出る裏の行動 2008.11.11(火)
 

朝9時20分ごろ都内のある喫茶店に入ると、目に付いたのがダーク調のスーツを着て会話をしている男性客2人。話している会話の内容から、接客業務に携わっている同僚同士が出勤前に立ち寄っていることや職場も近くだとわかります。
 その会話といったら、「○○を知らない客が来てさぁ~」「いちいち聞きやがってさぁ~」とか「一丁前にさぁ~」などと、乱暴で汚い言葉のオンパレード。せっかくのくつろぎの場が不快の場へと変わってしまいました。たとえどんなお客様と接客したからといって、そのやり取りを不特定多数が利用する喫茶店で話すのは非常識です。
 この2人もお客様の前では喫茶店で話しているような言葉遣いや態度など微塵も感じさせていないでしょうが、表と裏の違いの落差に本人の人格と職業の品位が疑われます。古くから“売場の品位と休憩室や従業員食堂などの品位は同じように”とか、“働いている職場近くの店舗で仕事に関する話は一切するな”といわれています。こうした言い伝えを死語にせず、これからも継承していってほしいものです。  
 

非常識な視察依頼 

 
2008.11.4(火)
このところ、増えているがCS先進企業への視察依頼です。しかも、その多くは希望日時が1ヵ月前といった切羽詰った視察計画です。相手の都合よりも、自社都合を優先する非常識な姿勢の企業にはコーディネイトをお断りしています。
 受け入れていただく企業もお客様相手の商売をしているので、定休日や繁忙時となる土日曜日、祝祭日や月末を除くと1ヵ月といっても視察可能な日時は限られています。それも人気企業ともなると、視察予定は半年以上前から入っています。
 でも希望する企業の担当者からすれば、何とか自社の希望日時を受け入れさせることに執着します。そんなとき、「お宅の企業では1ヵ月前に見ず知らずの企業からの視察を受けてくれますか」と聞き返すと、「うちでは営業のさまたげになるので、受け付けていません。それに1ヵ月前にはすべての予定が決まっているので無理です」と、矛盾した回答をする非常識な企業の多さに驚きます。こうした相手都合という本質が理解できない人たちに、他の企業からCSを学ぶ資格はないのです。  
 

シニア層のいら立ち

 
2008.10.28(火)
 シニア層の関心事といえば、定年後の仲間探し。そのひとつがOB会です。どのホテルを見ても、企業のOB会と思われる案内看板が並んでいます。実は先週末、以前勤めていた会社のOB会へ昨年に続けて出席しました。
 30代のときに退社した当時の上司や先輩たちの顔を見た瞬間、働いていた職場が映像となって浮かんできます。そこでの話題は、いずれも一番輝いていた20~30代の出来事。自慢や失敗したことなど毎回出てくる話は同じ内容なのに、何回聞いても共通体験なので共感し合えるのです。これもシニア層の特徴です。
 そんな中で接客に携わる業界の共通課題は、とくに急増しているシニア層への優しい接客応対です。でも現場では、接客するスタッフとお客様との世代格差によるコミュニケーションギャップが起っています。一言で言えば、会話がかみ合わないためのお客様のいら立ちです。たとえ世代が違っても、世代別の関心事や価値観を理解するお客様研究が必要です。これで初めてお客様と共感し合えるのです。  
 

応対コンテストから学ぶ大切なもの 

 
2008.10.21(火)
 今年も携帯電話会社主催「ショップスタッフ応対コンテスト地区大会」で審査員を担当しました。コンテストは「お出迎え」「ニーズの引き出し」「わかりやすい説明と提案」「サービス知識と他社比較」など7項目の評価を競い合うロールプレイ大会です。
 発表前に各店の応援ビデオが放映されると、会場内は一気にヒートアップ。でも、さすがは店の代表として選ばれたスタッフたち。たとえ勝手の違う場所であっても、お客さまのニーズに合わせて的確なアドバイスや最適な機種選定の提案をしています。それも、わずか10分程度という時間制限のある中で…。
 発表後は審査員のコメントと聴講者からのよい点と改善点を記載した「言葉の花束」が、発表者へフィードバック。この10分間の接客場面を発表者、聴講者と審査員で共有するのです。そのせいか、表彰式での受賞者と応援スタッフとの感激の抱擁、また見ている他の聴講者と審査員も涙、涙。会場内が一体化した瞬間です。応対コンテストで大切なのは受賞目標だけでなく、切磋琢磨して学び合う姿勢です。  
 

一手間省いたサイズ表示 

 
2008.10.14(火)
 ある大手総合スーパーでブランドフェアを開催中ということもあり、スポーツシューズ売場に行きました。そこには有名ブランド品が豊富に陳列されています。
 そこでシューズを見ていると、隣のお客様がなぜかレジに行って何かスタッフに聞いています。また、しばらくすると、別のお客様が先ほどのお客様と同じ行動をとっています。てっきり希望するサイズの在庫確認かと思っていると、どうやら話の様子から箱に書いてあるサイズを聞いているようです。
 そこで自分の希望のサイズを探し始めると、シューズ箱には、8や9という数字が表示されています。海外で見かけるサイズ表示ですが、ここは日本です。これでは先ほどのお客様と同様に、自分のサイズを探せるはずもありません。理由は安く売るためということで、仕入れたままの状態で売場に陳列しているのです。
 せめて、日本のサイズに換算した表を掲示する配慮が必要です。総合スーパーの不振は、こうした一手間を省く売り手都合の販売姿勢も要因のひとつと思えます。  
 

動機と素直さによる修得度の違い 

 
2008.10.7(火)
 「buon giorno」 で始まり 「arrivederci」で終わるイタリア語集中講座を受けました。イタリア語の初心者向けの入門クラスです。クラスの仲間は20歳代から60歳代までの男女11名。その職業もレストラン経営者、国家公務員、主婦、大学講師、秘書、染織やガラス工芸を学ぶ学生など多彩です。
 授業はイタリア人講師が担当し、発音、文法や日常会話などの基礎を4日間で学びます。中でもガラス工芸を学んでいる仲間の修得度には驚きました。学習動機を聞くと「大学でガラス工芸の基礎を学んだ後に、イタリアのガラス工房で修行する」と、いいます。観光やトレンドなど仲間の多くの学習動機とは真剣みが違います。
 帰りの高速バスの車中で、「このバス、混んでいるね」「このバス、混んでいるね」とおうむ返しに3歳位の女児と母親が会話する光景を見ました。当然ですが、この女児には恥ずかさや他の人の視線を気にせず、ただ母親が話す言葉を素直に繰り返しています。修得度は学生の明確な動機や女児の素直さが必要だったのです。  
 

磨きの研鑽と検証 

 
2008.9.30(火)
 先々週、講演会に出かけました。福島県で135年も続く老舗旅館を経営する六代目社長の話を聞くためです。久しぶりに笑いと涙を共有した感動の60分でした。
 社長は勤めていた旅行代理店を辞め、実家の老舗旅館へ入社。そこで目にしたのは、老舗とは名ばかりの時代に老いた旅館の実態です。業績の悪さや不都合な点は、すべて社会や景気のせいにするスタッフの発想。それと旅行会社の創りあげた旅館イメージとは違うサービス内容から発生したお客様の苦情の声など…。
 そこでスタッフと一体で取り組んだ具体的な行動は、「磨きの文化」の徹底です。まず有形文化財指定の建物を磨き、その特徴を活かすこと。次にスタッフ各自の技を磨き、さらにスタッフ自身を磨く。そこでわかったのは”やりながら気づく”こと。
 お客様の求める”当たり前”を、どうスタッフにわかりやすく伝えるのか。そこから生まれたのが「お泊り会」です。自分の働いている旅館に宿泊体験し、お客様と同じ目線になるための教育方法です。お客様と共有体験する大切さを学びました。  
 

引継ぎの三者面談 

 
2008.9.23(火)
 自宅前のコンクリート側溝の蓋が欠けてしまいました。そこで交換するコンクリート側溝の蓋を探しに、先週の日曜日に近くのホームセンターへ出かけました。目的のコンクリート側溝の蓋はすぐに見つかったのですが、持ってみたら、とても一人では重くて持ち上がりません。販売員に重量を聞くと、50?`はあるとのこと。これでは、一人で交換作業するにも困難が予想できます。
 結論として軽量な鉄製の側溝蓋にしたのですが希望のサイズはなく、後でサイズを測ってから特注することになりました。すると、担当した販売員は連絡用に名刺を渡してくれた後、「来週、1週間ほど不在しますので、引き継ぎの担当者を紹介いたします」といって、別の販売員を呼んできて紹介した上で用件を伝えたのです。
 しかも、担当者の名前がわかるように名刺を手渡すことも指示しています。よくある“伝達しておきます”といっておきながら、引き継ぎされていないケース。これこそが、お客様の期待する安心できる引き継ぎの三者面談といえます。  
 

診療処置前の説明 

 
2008.9.16(火)
 「検査結果は、○○○でした。診療処置としての方法は2つです。一つの方法は□□□で、メリットは○○○ですが、デメリットは×××です。もう一つは△△△で…」。いま歯科医院で診療を受けている院長からの診療説明です。
 驚くのは、「これから診療を始めさせいただきます」とか「これから薬を注入いたします」と、事前に診療行為の内容を逐一患者へ告知していることです。医療機関の多くはこうした事前説明もなく、診療しているのが常識となっています。それゆえに、患者へ不要な不安を与えてしまっているのかもしれません。
 この事前説明は多くの歯科医院でも行っていますが、他の医療機関では普及していません。理由は競争環境の違いです。歯科医院は他の医療機関と比べても多く、患者が自由に選択できます。サービスレベルは競争環境に比例しています。
 サービス強化対策として患者を「患者様」と言い換えるよりも、患者の求めているものは知るべき情報や処置方法を事前説明する医療行為の本質なのです。  
 

待ち時間の原因 

 
2008.9.9(火)
 サービス業や小売業で、いま待ち時間対策が悩みの種になっています。店舗によっては、30分以上もお待たせする場合があるほど。共通する問題点は2つ。
 その一つがスタッフのスキル不足です。お客様からの質問内容に答えられず、先輩や上司に聞きに行くために離席することで、待ち時間が増えるのです。もう1点はバックヤードの乱雑さです。取り扱い説明書やパンフレット、それに在庫商品などを保管する在庫棚が整理整とんされていないケース。その多くは保管棚の管理ルールがなく、使いっぱなしの状態で放置されていることです。あるべき場所になかったりして、探す手間と時間が増えてしまうからです。
 さらには、スタッフが使用する机の周辺や通路などが不要なものでふさがれているため、スムーズに歩けず回り道していることも多く移動時間のロスが考えられます。
 いくらお客様と接客するカウンターや売場が工夫されていても、バックヤードが乱雑であれば無意味なこと。意外や改善ポイントは裏にあるのです。
 

挨拶のタイミング 

 
2008.9.2(火)
 山に行くと、なぜか見ず知らずの人との挨拶が素直にできます。20代のころ、友人たちと秩父の山で登山道を行きかう人と出会うと、「こんにちは」「お先に」など挨拶をする習慣を体験しました。
毎朝のウォーキングでも、これと同じような体験をしています。道路で人と行きかう際、「おはようございます」と気軽に言葉を交わします。ただ山と違うのは、相手が年長者か年少者かで、どちらが先に挨拶するかの様子見をする傾向があります。そのためか、タイミングが悪くお互い挨拶をしないまま通り過ぎてしまうことが多いのです。
会社や店舗でも上司と部下、先輩と後輩といった職場内の立場で、挨拶するのかされるのかの判断が働きます。CSレベルの高い企業や店舗では、職場内の立場ではなく、先に挨拶をする習慣づけが徹底されています。こうした職場での習慣がビジネスでも挨拶するタイミングの差になるのです。たかが挨拶、されど挨拶です。 
 

笑顔の誘引効果 

 
2008.8.26(火)
 先週末、東京・青山に出かけました。目的はあるカレー専門店チェーンに行くこと。昼食時前でしたが「いらっしゃいませ」と、明るい声で出迎えてくれたあのスタッフがいました。そう、狙いは笑顔のすばらしい2人のスタッフに会うためです。
以前、事務所に近かったこともあり、週1回のペースで利用していました。このカレー専門店には、20代と50代のレジを担当する女性スタッフがいます。カレーの味も好みだったのですが、それよりも2人のスタッフのすばらしい笑顔と元気のある挨拶、それに気配りのある対応を何度も体験したかったからです。
それはマニュアル的な笑顔や挨拶ではなく、自然に身についたお客さまを気遣う表情と動作。この2人のスタッフの笑顔で、落ち込んでいた気分をどれほど解消できたかわかりません。何も、味や安い価格、ボリュームだけが店の魅力ではないのです。身近ではなくなったいま、スタッフの笑顔はお客さまを誘引する力があるものだと実感しています。わざわざ90分も時間をかけて行く位ですから…。
 

目的を忘れた案内表示 

 
2008.8.19(火)
 どの街に出かけても、必ず目につくのが大型商業施設。そこに出店している店舗数の多さと業種業態も多様です。それに大型商業施設にふさわしく、駐車場やエレベーター、エスカレーターなど付随する施設の機能も充実しています。
しかし、広くて便利な反面、不便なことも目につきます。都内のあるショッピングモールでは、トイレを探すのに戸惑いました。通路にトイレの場所を表す絵文字と矢印で案内されていましたが、実際に行くと周辺にATMやエレベーター、公衆電話など複数の施設が併設されていて、初めての利用者には探しにくいのです。案の定、多くのお客さまが頻繁に近くに来てウロウロと探しているではありませんか。
落ち着いてよく見てみると、確かに男女を絵文字にしたトイレ表示がありました。でも男女の絵文字は小さく、しかも周辺にデザイン的な文様があってわかりにくい表示。問題なのは、利用する人の目的を忘れてデザインを優先した施設側の姿勢です。大切にすべきことは、“利用する人が理解できる”というお客様視点なのです。
 

ニーズの思い込み 

 
2008.8.12(火)
 最近、写真撮影を学び始めました。講師から指定された印画紙を購入するため、あるカメラ量販店へ出向く前に電話で取り扱いの有無を確認したときのことです。
 「印画紙は取り扱っていますか?」と、電話に出たスタッフに聞きました。すると、「担当者に替わります」といってから、しばらくして売場の担当者に引き継がれました。「はい、印画紙ですね。ありますよ」との返事でしたが、「六切ですが…」と、サイズを確認すると、「えっ!パソコンで使うのではないんですか?」と、不満な様子。
 その後、カメラ売場に引き継がれ、ようやく指定された六切サイズの印画紙の在庫を確認できました。時計を見ると、最初の電話から20分も経過しています。
 「プリンター用ですか、それとも現像用ですか?」と、最初の段階で用途の確認をしてもらえばこの手の勘違いは防げます。これは何も電話だけでなく、売場でも起こりうる事例です。売り手の発想で勝手に思い込まず、お客様に用件や内容を掘り下げる関連質問をすることで、こうした類似する勘違いを軽減したいものです。
 

一枚の感謝の絵 

 
2008.7.29(火)
 ベンツを扱っているある販売店のCS向上研修で、好事例を共有するという話として経営幹部からベンツに乗っている子供を描いた絵が披露されました。
  絵の裏には、「□□□のおにいちゃんへ ○○○のくるまがびょうきになったとき たすけてくれてありがとう これからもよろしくおねがいします。○○○より」と、大きなひらがなの文字でしっかりと書き込まれていました。
 この絵が贈られた背景には、あるサービスアドバイザーの素晴らしい接客応対があったのです。それは他社で購入したクルマの修理のため、気兼ねしているお母さんには丁寧な対応をした上、一緒に来られたお子様にも声かけをしました。
 その後、お母さんと一緒にクルマを引き取りに来られた風邪気味のお子様には、サービスアドバイザーから「カゼは大丈夫?」と、体調を気遣った声かけがあったのです。後日、そのお子様から飴を入れた袋にリボンを付け、一枚の絵と感謝文が一緒に届けられました。気遣いの気持ちは小さなお子様にも伝わるのです。
 

読み手の基準 

 
2008.7.22(火)
 新聞紙面のリニューアルが続いています。新聞は15段組みで構成されていますが、最近では読みやすさを重視するためにも紙面を12段にし、文字もひと回り大きくなっています。その理由は、高齢者に読みやすく配慮した優しい紙面づくりです。
  その一方で、ある市役所主催の「金融商品」講座に参加した人の話です。参加者の多くは、60~70歳代のシニア層と呼ばれる人たち。テーマ自体が難しくてわかりにくい内容ということもあり、講師は図表を多用して読み手が理解しやすいようパワーポイントで資料を33コマに分割するなど、随所に配慮が感じられます。
  ところが準備する事務局は資料の枚数削減のためか、A4の紙に4コマを縮小印刷しているので、文字が小さくて読みづらいのです。参加者からは「文字が小さくて見えない」とか「見えなくてイライラする」などの意見があったといいます。
  事務局にとってはコスト削減なのでしょうが、参加者には読みづらくて無駄な資料と受け取られてしまいます。資料も、読む人の基準が考慮されるべきです。
 

プラスαの対応

 
 2008.7.15  (火)
 このほど仕事で使っているノートパソコンを買い替えました。そこで、困るのはパソコンの設定です。しかも、従来のXPからVistaへと変更するだけでなく、各種の設定をしたことのない当事者とすれば不安が募ります。
  でも、いまは便利ですね。全国展開しているある家電量販店でパソコンサポートパックメニューから「ブロードバンドとくとくパック」を選んで依頼しました。
 予約した日時にサポートスタッフが設定の作業終了後に、「実はVistaで作成したファイルがXPでは開けないと指摘されておりますので、ファイルの種類の中に従来のファイルも設定しておきましたので、ご安心ください」と報告を受けたのです。
 “どうせ、家電量販店のサポートはいわれたことだけしかやらない”と期待していなかった分、プラスαの対応があり、とても感激しました。販売した商品やサービスに対する不具合や使い勝手などのお客様情報を活用したお客様視点によるプラスαの対応やアドバイスは、店舗のブランド価値を高める秘訣といえます。

スタッフ優先の客用施設 

 
2008.7.8 (火)
 朝のウォーキングを始めて2ヵ月が過ぎました。すると、不思議ですね。いままで見えていたようで見えなかった本質が、実によく見えるようになってきたのです。
 ある薬局のお客様駐車場に奇妙な表示がありました。駐車スペースには、「従業員」と「薬剤師」と指定された表示があります。しかも、車輪止めまで設置されて…。ではお客様用はというと、駐車表示もなくスペースを表すラインのみです。
 何か変です。お客様相手に商売をしているのなら、お客様の利便性や使い勝手を最優先に考えるのが商売の掟です。これを働くスタッフを優先に考えるのは、どうでしょうか。「店はお客様のためにある」という諺がありますが、この駐車場もお客様のためにあるのです。スタッフは客用駐車場とは違った場所に設けるのが常識です。
 最近、従業員満足の大切さが強調されていますが、お客様と商品やサービスを提供する店のスタッフの立場は同格ではないのです。この薬局の場合、わざわざ店内に入らなくても、駐車場の表示だけでお客様を大切にしないことがわかります。
 

当たり前の棚卸し 

 
2008.7.1 (火)
 ある指導先の自動車販売店での出来事。整備工場内で整備に入る前に、スタッフがお預かりしたクルマのトランクから中のモノを出していました。驚くことには、床に一枚の毛布を4つに折りたたんだ上に一点一点置いているではありませんか。
 「いつもこのように毛布を敷いているのか」と聞くと、「どのスタッフもやっていますので…。えっ!どこでもやっているのでは?」と、逆に怪訝な顔をされました。薄いシートだと、金属やプラスチックなどの製品はキズが付きやすく音もするので、毛布を使うようにしたという。
 お客様からすれば、“こんなところにも気を遣っている”というすばらしい行為が店内では特別な行為ではなく、当たり前の行為となっているのです。
 もし、これが悪い対応であったらとても怖いこと。スタッフは、当たり前の比較をしていません。ときには、第三者による店舗や企業で当たり前と思われる行為の棚卸しが必要です。